sapporo_wanのブログ

愛犬peeさん(キャバリアキングチャールズスパニエル15歳)の日々の記録

愛犬が がんになりました-3(放射線治療について)

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↑大学病院からの帰り道。ぼぉーっとしているハニどん

がんになったらまずはオぺ。悪いものは取るに限る。せっかく本人(犬)が元気なのに切除できないのは残念だけど、犬のQOLを考えれば仕方ない。

ちなみに、ワタシの認識では、、、
がん幹細胞は活性酸素を除去できる抗酸化システムをもっている。活性酸素を発生させて細胞を傷つける放射線治療抗がん剤はがん幹細胞には太刀打ちできない。

参考)
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/science/201306.html

「KOMPAS」慶応義塾大学病院 医療・健康情報サイト

 

大学病院で研究をされている担当の先生からも「必ず(腫瘍が)また大きくなります」と何度も言われた。残念ながらそーゆーことですよね。

放射線治療についてはちょっと調べただけでもネガティブな情報がもりもり。

以下、引用

"放射線治療は、電離またはフリーラジカルの生成を介して DNA 損傷を誘発し腫瘍細胞を殺傷するが、上皮間葉転換の活性化を通じて、癌幹細胞の誘導を起こしていると考えられる。しかも放射線が非癌幹細胞を癌幹細胞に移行させることについての証拠が提示されており、このような観点から考察すると、癌に対する放射線治療には欠点が多いようにも見える。"
(引用元)https://hoken-kagaku.com/journal2019_2/article2019/2019013.pdf
放射線治療に関わる癌幹細胞」保健科学研究 10(2): 1―7,2019

 

"放射線に耐えて生き残ったがん細胞は、より浸潤する力が上がっていた。"
(引用元)https://altair.sci.hokudai.ac.jp/g3/research/res_05/
北海道大学細胞ダイナミクス科学研究室(第3研究室) 
(↑こっちはちょっと古いけども同じ北大なので載せてみる)

引用終わり


要は
がん細胞の親玉的存在ともいえるがん幹細胞にとっては、放射線治療は効果が期待できないどころかがん細胞をがん幹細胞化させてしまったり、放射線によって浸潤する力を増してしまうということ。

だからといって、がん細胞が増殖し続けるのを放っておけば腫瘍は大きくなる。骨融解すれば痛みがでるし、血管にからめば鼻血→貧血、脳が圧迫されればてんかん様の発作がおこる。どれも対処療法のみ。治療は腫瘍を小さくすることしかない=放射線抗がん剤しかない。

 

治療しなかった場合の余命は1年(かかりつけ医曰く)。カラダが元気なまま腫瘍による症状だけが急激に進み、痛みがコントロールできず食べられなくなれば安楽死も考えないといけない。

一方、治療した場合。RTもケモも完治はできないので言うなれば時間稼ぎ。ゆくゆくは未治療と同様にさまざまな症状に悩まされることになる。運がよければ余命は1年半以上。治療がうまくいっているうちは腫瘍の大きさはコントロールできるけど、副作用で徐々に全身状態が悪くなる。いずれRTもケモも効かなくなる。

どちらもいずれ苦しくなるのは同じ。でも残された時間が変わる(はず)。

 

容易に想像がつくのは、未治療で早々に鼻血が止まらなくなったら"あのとき治療しておけばよかったー"とワタシが後悔するだろうなと。

毎日家の中で走り回る様子を見ていると、こんなに元気な犬に治療しないことを選択するのは時期尚早な気がしてしまう。

最先端の放射線治療を受けられる施設(北大)が通院可能な環境にあるだけに、なおさら悩ましい。

"何もしない"を選択するのも、それ相応の覚悟が必要なんだな。

 

 

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次の記事へ続く

 

愛犬が がんになりました-2(鼻腔内腺癌)

4月、検査のために北大動物医療センター受診。

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北18条門で車を下りて徒歩で向かったんだけど、そーゆー人はあまりいないのかな?とくに案内表示もなく学内の人に道を尋ねながら進む。あそこだ!と行ってみると大学院棟だったり💦到着したのは予約時間の2分前。なんとか間に合った。

受付してから待ち時間はほとんどなく、10分くらいで診察室によばれる。

新人獣医さんから一通り問診を受ける。(前に酪農大に行ったときはいきなり教授だったので今回ちょっと拍子抜け)

「気管虚脱があるので挿管は慎重にお願いします」と念入りにお願いし、犬を預けていったん仕事へ。仕事が終わってから夜にピックアップさせてもらえる段取り。大変大変ありがたい。

 

一方、小さなことだけど不満もないわけでもない。

問診のときに「検査終了後に連絡いれますか?」と聞かれ、仕事中はほぼ出られないから不要と伝えたにも関わらずスマホ着信アリ。なぜか職場にまで電話が入っていて「いま無事に検査が終わって・・うんぬん・・鼻血も出るけど数日で止まると思います」などなど、電話に出た職場の人にこと細かに伝言された。職場の番号書かなきゃよかったわー。

何より不要と伝えたにも関わらず着信が残っているのを見たら飼い主はドキドキする。何かあったのかと思った。その後"勘弁してほしい"と指導医である担当獣医師にはやんわり伝えた。笑

 


閑話休題

肝心の検査の結果はステージⅠの鼻腔内腫瘍。後日、病理の結果も出て腺癌の診断がついた。

腫瘍はかなり小さく初期のため、3日間の定位照射(SRT)を提案される。

以下、担当獣医師の説明を要約すると

・鼻腔内の腫瘍は骨に取り囲まれているので、手術は行わない

・化学療法は副作用があるので、まずは放射線治療(以下RT)一択

・RTで多くの場合は小さくなるが、腫瘍はまた必ず大きくなる(再増大しなかったのは高齢猫の一症例のみ)

・RT後は3ヵ月毎にCTを撮って腫瘍の変化を確認

・RT後に急激に小さくなる腫瘍はその後大きくなるのも早いので、ゆっくり小さくなるのがいい(なぜかはわかっていない。なので、ウチの犬の場合がどうかもやってみないとわからない)

・RT後また大きくなってきたら次の治療を開始する(再びRTか化学療法か)

・化学放射線療法(ケモラジ)はしない。どちらに対しても感受性が低い癌だし、耐性もつきやすい。併用して成績があがることもない。RTに抵抗性が出てきたときの次の手としてケモは残しておいたほうが時間が稼げる

・RT治療後の副作用としては口内炎、脱毛、色の違う毛が生えてくる。そのほか麻酔の副作用で膵炎をおこすことがあるがまれ

・3日間定位照射の費用は約45万円

などなど、ご丁寧にわかりやすくお話しいただいた。


※あくまでウチの犬(チワワ鼻腔内腺癌ステージⅠ)についての話で、全てのがんにあてはまるわけではありません。また、ワタシの誤認識もあるかもしれません。

 

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病理検査のため組織をとった。なかなか鼻血が止まらなかった。(患側は右なのに、左からもポタポタ) 翌日から食欲低下。痛かったんだと思う。

 

 

次の記事に続く

愛犬が がんになりました-1

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我が家にハニさんがやってきて明日でちょうど一年。

 

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引き取り当初のハニ。

 

初めて会ったとき(2021年8月2日)からずいぶん体温の低いコだなぁと思っていた。

 

くしゃみと逆くしゃみが多くて「アレルギーじゃない?」とかかりつけ医には言われる。しかし、くしゃみはごはんの前とかウンチの前とか興奮したときに連続して10回くらい。何かがおかしい。

 

舌の色は暗紫。東洋医学的には瘀血を表していて、我が家に来て半年過ぎてもなお体温低め。

 

"おそらくがんだろーなー"という嫌な予感が確信に変わったのは今年3月。薄ピンク色の鼻水がチロっと垂れていた。何かの色がついたのかもしれないけどーとかかりつけで相談→2週間後にCT予約。

 

その後CTを待つ間に一度鼻から鮮血がたらり。少量で止まったけど、あーもー絶対がんだわーと思いフードとサプリメントを腫瘍対応のものに変更。オゾン注腸も回数を増やす。

 

で、いよいよかかりつけのCT検査。したことにはしたんだけど、これが失敗。ほぼ役にたたなかった。かかりつけの画像診断は提携先の酪農大で行っていて結果が来るのに1ヵ月はかかると言われるし、採材が悪かったのか病理の結果は出ず、診断書には"細胞診の結果として悪性腫瘍疑い"とだけ。

 

かかりつけ医からは"おそらくがん。放射線になると思うから北大に転院して。またあちらでもCT撮ると思うから"と言われる。

 


今回のCTはなんだったのか、、、。聞いても仕方ないことは聞くのはやめた。がんだと確信していたのだから、始めから北大にまわしてもらうべきだった。タイムロスと全身麻酔による負荷と細胞診のあとの痛みと検査の費用総額8万円。痛い。苦笑

 

北大での検査については次の記事へ続く

あとつぎの現在

peeさんなき後、我が家の「愛犬」のポジションを引き継いだハニたん。

↓昨年8月

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↓現在

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ガリガリに痩せこけて保健所からやってきたチワワのおばあさんもまもなく一年。腎数値が安定して一安心と思いきや、今度はお鼻の腫瘍がみつかりました。けっこう元気なのが幸いです。

 

 

あれから一年

 

peeさん(享年15歳)、早いもので虹の橋を渡ってもう一年に。

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お写真は2019年で13歳。

明るくてサバサバした性格だったのでおそらく振り返ることなく、あちらで元気に楽しく暮らしていることでしょう。

生まれ変わって帰ってきてほしいけど、ワタシが仔犬を飼うことはもうないからなぁ(^_^;)おばあさん犬になって、いつかまた戻ってきてくれるといいな。

 

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こちらは2017年。胃のポリープのせいで通過障害を起こしてしまい、酪農大でオペしたあと。このあとから膵炎を繰り返すようになって、いろいろ具合が悪くなってしまった。もっと早く気づいていたらもう少し長く生きられたかも。。と後悔は尽きない。

 

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今年もまた咲きました。

 

 

異物混入のその後

FORZAのウエットフードに異物(それも金属)が入っていた件のその後。

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リナール アクティウェット フラットフィッシュ (腎臓ケア)

 

購入したのはpochiさん。状況についての連絡後、商品を送って1ヶ月以上。調査の結果については待てど暮らせど返信なし。笑

FORZAはイタリアのメーカー。製造工場はアイスランドかどこかだったので時間がかかるのはわかるんだけど、さすがに1ヶ月以上放置はないなとpochiさんに催促のメール。

忘れられていたのか、催促して数日後にはメーカーから下記の回答が来た。

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要は、釣り針なら金属探知機が作動するはずだし、同ロットの他の商品には同様のものは入っていなくて、何だかわからない、と書かれている。

結局ナゾのまま終わった。

 

ウチのケースが先方の考える通り本当にホチキスの針だとしたら、同ロットの商品から見つかっていないのは金属が小さいからという可能性も十分ありえる。(ウチだって見つけられたのは奇跡で、1/3ずつ食べさせていたこと、レンジで温めて火花が散ったことでわかったんだから)

 

またラムのほうのプラスチック片混入も同じタイミング。

(同じ腎臓療法食のラムもプラスチック片混入疑いでリコールがかかっている。当然我が家にもあって返品。)

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原因のわからない異物混入がこんなに立て続けに起こる?人為的なのでは?とすら想像してしまう。

 

とにかく、数の違いによりプラスチックはリコール。

"食べても問題がない"とあちらが主張しているプラスチックよりも、ウチの金属の針金のほうがよっぽど危険だと思うんだけど、こちらは情報公開すらなし。柔らかくて細くて小さいけど、確実に内臓を傷つけるのに。

 

数少ない療法食を扱うメーカーなのでFORZAには頑張ってほしいと思っていたけど、これでは信用できるわけがない。さすがにもう買わない。苦

 

24日は我が家の保護犬beeさんの日

我が家の初代保護犬beeさん。享年推定11歳。お空に渡って24日でちょうど9年になった。f:id:sapporo_wan:20211225004753j:image

12月の寒空の下、ネグレクトの挙げ句に放置されたbeeさんはガリガリに痩せこけ(ハニさんの比ではない) 、札幌市内を放浪中に親切な市民の方からご飯をもらい、翌日警察経由で札幌市動物管理センターに収容された。

期限(12月23日)になっても当然アホ飼い主が迎えに来ることはなく、12月24日我が家の一員に。ウチのコ記念日と命日が一緒、それもクリスマスイブ。

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疥癬付きでやって来て、異食症も最後まで治せなかった。この上なく可愛い存在だったけど当然手間も時間もお金もかかったし、何より納得できる最期を迎えさせてあげられなかった。ウチに来てよかったのかなぁと今でも考えてしまうけど、これも運命。過ぎたことは変えられない、考えるなら先のことにしようと考えるのをやめる。未だそれを定期的に繰り返す。

 

"動物の世話自体や、立ち直っていく様子を見守ること、ともに年をとることがうれしい"という人(ワタシ含め)には保護犬ネコはとても素晴らしい存在。

札幌でも業者が定期的に繁殖リタイア犬を譲渡するイベントを開催している。訪れる人の大半はおそらく"ただ同然で犬をもらえるから"という理由で集まっているのだろうけど、繁殖犬の再飼養はそれなりに大変なことも多い。トイレトレーニング、散歩や生活音に慣らす練習、業者の与えていた粗悪なご飯の影響から肝臓や膵臓、腎臓の疾患が多かったり。バックグラウンドのわからない動物さんとの暮らしは子犬以上に知識や経験、経済面によって許容範囲が異なるし、安易に勧められるべきものではない。

ネコはちょっと違うだろうけど、犬と暮らした経験のない人が保護犬を迎える場合、愛護団体が間に入ることが「犬×譲り受け希望者」双方のためだと思う。

おそらく誰でも飼える時代はそう遠くないうちに終わる(といいなぁ。笑)。シリアスホビーブリーダーの販売時や愛護団体の譲渡のように、購入時にも審査が普通に行われるようになるのが理想。でも、そーすると必ず、"飼いたい人が飼えないのはおかしい"と言う人が現れる。

人間の楽しみのためだけに動物を犠牲にする時代は早く終わろう。マツコさんも"寝返りを打って潰したら困るからネコと暮らすことを諦めた"と言っている。(ちゃんとした人だよね)

10年くらい前に愛護団体のイベントの手伝いをしていたとき、4〜50代くらいの女性から「柴の子犬が欲しいのー。親が一人で住んでいて認知症予防のためにプレゼントしたいから」と相談された。アホか。笑 でもその時代はまだまだそういう人が普通にゴロゴロしていた。

自分が可愛がりたいだけの人は保護犬ネコ、繁殖リタイア犬ネコに限らず、動物を飼うのはやめてほしい。

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↑とても美犬さんでした