sapporo_wanのブログ

愛犬peeさん(キャバリアキングチャールズスパニエル15歳)の日々の記録

業者による「里親探し会」の違和感

前回のブログの続き。

 

この「5つの自由」からもっとも遠い存在が子犬繁殖工場(パピーミル)の繁殖犬たち。

 

道内何十店とか全国何百店とかいうペットショップに犬を卸しているのは、犬種を問わず2桁後半から3桁の犬を扱うパピーミル。

パピーミルがなければペットショップ(生体展示販売)の経営は成り立たないし、とてもではないけど一般の消費者にありのままを見せられないパピーミルの存在を隠してくれるのがペットショップ。両者はとてもうまく持ちつ持たれつの関係で支えあっている。

 

北海道の場合はパピーミルから直接仕入れているショップもあれば、いわゆる生体市場(セリ)から仕入れているショップもある。

 

セリでは当然値段のつかない犬も出てくる。また、各繁殖屋では不要とされる犬(産めない犬や奇形の子犬)なども出てくる。さらには改正動愛法により繁殖犬の数を減らさなければならない業者も多い。ペットショップでは売れ残ったまま生後半年を過ぎる子犬もいる。

一般的に、こうしたセリや業者の実態は数年前に朝日新聞に叩かれ、以来一部の愛護家に監視されている。簡単に犬たちを闇に葬るわけにもいかなくなった。

そこにコロナ禍でペットの需要が増え子犬の価格高騰し、空前の保護犬ブームも到来。一般家庭の、格安で犬を引き取りたいというニーズが高まっていると業者は気がついた。

これまでは愛護団体へ丸投げしていた健康体ではない犬や繁殖リタイア犬も、ペット保険と抱き合わせで一般家庭に譲渡することで自分達の損失を少しでも減らすどころかトラブルも回避し、多少の利益すら生み出せる。イベント名は「里親探し会」。(ここに集う人の何割かは"保護犬を引き取った"くらいに勘違いしてしまうんだろうなーというネーミング)

 

ちなみに北海道で生体市場(ペットパーク)を運営しているのは「北海道ペット事業協働組合」※。やはりここでも上述通りの「里親譲渡会」を月一ペースで開催している。

 

法改正もあり、行き場をなくした犬たちには引き取り先が必要。でも、これまで繁殖犬としてさんざん苦労させられてきた犬たちの責任を取り、将来を保証するべきは本当は誰だろう?

 

有料でペット保険に加入させ(当然バックマージンありでしょ?笑)、タダ飯を食うだけの不要な犬を手放せばそれだけで業者の利益は増える。

それでいて譲渡に関するQ&Aにはなかなかご立派なことが書かれていて、いったい誰がどの口でそんな偉そうなこと言ってるのー?と個人的には感じてしまう。

もちろん犬たちには幸せになってもらわないといけないので必要なことだけど、ただの"責任転嫁"としか思えず腑に落ちない。

 

何より、パピーミルという場所で愛情のかけらも与えられないまま何年もの時間を過ごす、「5つの自由」が叶わない繁殖犬という犠牲はなくならない。

 

全体数が減る、苦しい犬が少しでも減るなら以前よりはマシか、と思うよりないのかなぁ。

 

まぁでも、"犬が好き。でも、人間の商売のためなら多少の犠牲は仕方ない"という考えの人とはおそらく一生わかりあえない。生体展示販売とパピーミルがこの世から消滅して、せいぜい2〜3犬種を家庭で大切に繁殖させるシリアスホビーブリーダーが主流になることを願う。

 

 

以下、参考。

※北海道ペット事業協働組合のホームページには

【ペットショップ関連事業において唯一北海道の認可を受け活動している団体であり、約70社のペット業者の方々にご加入をいただき、ペット用品・ペットフード等の協同購買事業、組合員のペット知識及び技術的な向上を目指した研修会等の開催、経営安定セミナーなどの教育情報事業とペット関連業者や組合員相互の新睦を目的とした福利厚生事業を大きな柱として活動しています。】

と書かれておりペットパークについての記載は見当たらないが、この北海道ペット事業協働組合の上部組織である「中央ケネル事業協働組合」のHPによると

【各地域組合独自の事業として生体市場(ペットパーク)の運営】

と生体市場の運営について明記されている。"地域組合の独自の・・・"という表現が妙。笑

 

ちなみに北海道ペットオークションはPet Landビルにあり、中央ケネル事業協働組合の理事にはペットランド関係者の名前がある。

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